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「世相 2015-2016」 かくれんぼ

「2015-2016 世相」 かくれんぼ

どこかの老人ホームで
治療目的のかくれんぼを取り入れた
いざはじめてみると
高齢者には「かくれる」「さがす」が
意外にむずかしいとわかった
かくれるものは「子」と呼ばれ
さがすものは「オニ」である
自分でありながら
別の役を遊ぶというのも
一筋縄でいかない
だから「子」が「もういいかい」と呼びかけ
「オニ」が「まあだだよ」と答えることもまれでない

年寄りたちはてんでに身をかくし
いつもの静寂とちがう
張りつめた廊下のまんなかを
ひとりの「子」が
悠然と横切っていくことだって起こる
まるで幼い日の幻のように・・・
「子」を目で追いながら
「オニ」は「みいつけた」とも言わずに
歩み去る日々を笑顔で見送っている

部屋に戻ってしまったじいさん
かくれ場所で眠り込んだばあさん
オニごっこと間違えたか
近づくオニから逃げるばあさん
かくれんぼは成立しないけれど
どの顔にもわらべ歌が響いている
   かくれんぼするものよっといで
   ジャンケンポン 
   あいこでしょ
   もういいかい
   まあだだよ

彼らにはもはや
実人生ではかくれる必要も
見つけだしたいものもないかもしれないけれど
子どものころの遊び場所をみつけ
落ち葉のにおいのするその小暗い秘密の片隅に
老いの避難所を築きたいのかもしれない

不確かな未来に
「オニ」が呼びかける
「もういいかい」
なつかしい未来の「子」が答える
「もういいよ」
わらべ歌から「子」が生まれ
わらべ歌に「オニ」が還っていく
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