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大詰め

本の制作も大詰めです。
今日は本文に続く「あとがき」のようなもの。
メッセージを書きました。
今日から3回連載し
活動報告とします。
今日は1回目です。

「ぼく、花に触っていいの?」
 この痛切な言葉を耳にしたのは、
2012年に実施した最初のキャンプのときでした。
7歳の男の子の質問に母親はこう答えました。
 「いいよ、どうして?」
 「だけどぼく、放射能で汚れているんでしょ?」
 「もしそうだったら、どうしたい?」
 「それならぼく福島に帰る。きれいな花や土を汚したくないもん」
 
福島の原発事故を思うとき、
この少年と母のやりとりが頭をよぎります。
あれから3年。福島の子どもたちを招いて行なう私たちのキャンプも、
2015年3月で6回になりました。
しかし状況は何も変わっていません。
相変わらず私たちが見聞きするのは、
痛々しい同種のセリフであり、原発事故によって負わされた傷が、
生々しくうずく様子なのです。
 
これまでのキャンプを通して、私は多くの福島の親子と接してきました。
淡路島の豊かな自然に抱かれ、
いつまでも外遊びする子どもたちに微塵の暗さもありません。
しかしときおり(たとえばキャンプの恒例行事である健康診断を受けるときなど)、
未来に心がかげるのが見て取れます。
この絵本を私が作ろうと思い立ったのは、
そんな健康診断の折でした。

健康診断を受けるのは、神戸の街中にある診療所です。
そばには川が流れ、川沿いに大きな公園があり、
神戸の少年たちが無邪気に遊びほうけています。
キャンプに来た福島の子どもたちは、
公園から届く夏の歓声を耳にしながら、
エコー検査・血液採取、心電図から生活指導へと続く、
長時間の検査に耐えなければならないのです。

公園でサッカーに興じる子どもには、
道ひとつ隔てたところで、同年代の小学生が、
放射能被ばくの恐れに耐えながら、
つらい検査を受けている事態など想像外のこと。
私はこの対比に、日本の亀裂を見る思いでした。
そして、福島の子どもの側に立って、
そこから見える未来が書けないだろうかと考えたのです。

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